韓国のコンビニ行ったことある人、わかるよね?
今月も出張が多いんです。
毎週どこか行ってる感じ。

先週、2か月ぶりに韓国に行ってきました。
韓国もコンビニが街のあちこちにあって、
本当に便利なんですが、
そこで気づいたことがあります。
「1+1」「2+1」っていうPOPが、
棚のあちこちに貼ってある。
CUでも、GS25※1でも、セブンでも。
最初は「キャンペーンが多いな」くらいに見えました。
でも、これ。ただの安売りじゃないです。
安売りというよりも、本質は
無料を使ったアップセルです。
やられた話
正直に言います。
私もくらいました。
夕方、ホテルに帰る前に
ビールを1本だけ買うつもりで
コンビニに入ったんです。
1本だけ。それだけのつもりで。
でも、気づいたら出るときには
3本持っていました。
2+1にやられました。
しかもこれが1回じゃない。
毎日のようにそれを繰り返して、
気づいたらホテルの冷蔵庫が
ビールだらけになっていました。
「誰が買ったんだ」って話ですが、
全部自分です。
「アホかおれは」みたいな
ほんと、アホみたいな話なんですが、
これ、マーケター目線で見ると
かなり強力な仕掛けであり設計です。
値引きと何が違う?
2+1は、見方を変えれば
「3個買うと約33%OFF」と同じです。
だったら、なぜ最初から
「33%OFF」と書かないのか?
ここが面白いところです。
同じ割引率でも、
受け取る側の感覚は全然違います。
「33%OFF」は、計算が必要です。
でも「1個無料」は、一瞬でわかります。
しかも、この「無料」が強い。
人は必ずしも合理的に
割引率を計算して
動いているわけではありません。
「いくら得か」よりも、
「タダでもらえた」という感覚に反応してしまう。
これはプロスペクト理論※2の
文脈で見てもわかりやすいです。
人は数字だけではなく、
得した、損したという感情で動く。
私がビールを3本持って出てきたのも、
「33%安いから」ではありません。
「1本タダになるから」
この感覚で手が動いていました。
完全に感情で動いています。
目的は安く見せることじゃなく、
もう1個持たせること。
購入点数を増やす売り方です。

飲料に多いのはなぜ?
お弁当を2個買う人はほぼいませんが、
飲み物や保存のきく
カップ麺とかなら話が全然違います。
実際、思い返してみると、
飲料系の1+1が
異常に多かったです。
コーヒー、ゼロ飲料、
エナジー系、お茶。
もちろん食品系にもあります。
ただ、特に目立ったのは飲料系でした。
理由は単純で、
「今消費しなくていい」から。
1本は今飲む。
もう1本はホテルで飲む。明日飲む。
誰かに渡す。
使い道がいくらでも出てきますよね。
「まあ、もう1本あってもいいか」
——この心理が起きやすい
商品に集中させています。
私のビールもそうです。
「ホテルで飲めばいい」
という言い訳が
一瞬で浮かんだから、
3本持って出ることに抵
抗がなかったんです。
設計通りに動かされていました。
ランダムに設定してるわけじゃなく
在庫化しやすい商品に絞って仕掛けている。
これ、かなり意図的な設計です。

「今」だけじゃなく「未来」を売る
結局これ、何かというと
韓国のコンビニは
コンビニなのに、
スーパーのまとめ買い需要まで
取りにいってると言えます。
コンビニって本来は
「今すぐ必要なもの」
だけ買う場所だったはずです。
でも1+1が入ると、
話が変わります。
今の消費を売りながら、
未来の消費まで同時に取る。
正直、なかなか
エゲツない設計だと思いましたよ。
単なる値引きとは目的が違います。
私が毎日コンビニに
寄り続けたのも、
結果的に
「今日の1本+明日の1本」を
毎日買い続けていたということ
(アホですね)。
完全にやられています。
棚が営業している
店員は何も言っていません。
誰も「もう1個いかがですか?」とは
言わないんです。
棚に貼られた「1+1」が、
黙って勝手にアップセルしています。
しかも韓国語が読めなくても
伝わるんですこれが。
数字だけで完結している。
一度、感覚として覚えると
無視できない強さがあります。
棚そのものが営業マンになっています。
接客コストゼロ。
説明コストゼロ。
それでいて毎日
私のような被害者を量産している。
恐ろしい戦略(笑)です。
あなたのビジネスに置き換える
せっかくですので、
あなたの商品に置き換えて
考えてみましょう
1個売って終わりになっていませんか?
追加購入の理由、設計してありますか?
「無料」の見せ方、使えていますか?
未来の消費まで取れていますか?
ただ値引きするのは簡単です。
でも韓国コンビニがやっているのは、
購買行動の再設計です。
売り場をどう作ってどう見せるか?
で、客単価は変わります。
商品が売れないとき、
商品力だけを疑う人は多いです。
でも本当は、
「もう1個買う理由」が
設計されていないだけかもしれません。
韓国コンビニの棚は、
それを教えてくれます。
※1「ⅭU」「GS25」ともに韓国の地場コンビニ。韓国国内マーケットシェアはCU30~33%、GS25が27~30%と、2社合わせて60%を超える
※2利益よりも「損失」の痛みを約2倍〜2.5倍ほど強く感じる心理傾向
例: 同じ「3万円」でも、3万円をもらったときの喜びよりも、3万円を失ったときのショックのほうがはるかに大きく感じられます。
逆襲の戦略マーケター山内 東
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