商品を売るな 〇〇を売れ

戦略

真冬にアイスが売れる理由と、あなたの売上が変わる「体験設計」

冬の北海道、外気温マイナス10度。
息を吸うだけで鼻の奥が痛い。


そこで売りたいのはアイスクリーム・・・・


誰がどう考えても「アイスクリームなんて売れるわけない」。
…はずなんですが。

実際には、真冬にアイスがバカ売れしている店が存在します。

なぜでしょう?

ちょっと考えてみて下さい。

この店、実は、有名な露天風呂

しかもお湯の温度は通常の露天風呂より高め

42℃設定

「あつ~い」って言いながら

入るのが最高の露天風呂

外は氷点下、でもお風呂の中はあつあつ

もちろん、脱衣所や温泉施設の建物の中は

暖房ガンガン、Tシャツ1枚で過ごせる状態

冷えた体を露天風呂の温泉で暖め、

生き返った心地になったお客さんは

ほかほかにあったまった体の状態で、

施設内でお土産を買ったり、食事をしたり

くつろげます。

店内POPにはこんな文字と

おいしそうなアイスクリームの写真

風呂上がり、反則級のごほうび

温泉→アイス、これ以上のご褒美ある?

どうですか?

食べてみたくなりませんでしたか?

最初にマイナス10度の極寒でアイス

と聞いた時と、印象がガラッと変わったのでは

ないでしょうか?

なぜ、寒い場所では売れないものが

売れるのか?

それは、

商品ではなく 体験を売っているから です。

真冬アイスは「矛盾」ではなく「体験価値」になる

前述の温泉の例以外にも

真冬にアイスクリームを売る方法

こんな方法も考えられますよね?

  • 暖炉の前でホットコーヒーと楽しむ「温冷コントラストアイス」
  • 冬の勇者だけが挑める「氷点下チャレンジアイス」
  • 昭和ストーブ前で食べる「懐かしノスタルジーアイス」
  • ジンジャーシロップで身体が温まる「ホットブーストアイス」

すべてに共通して言えるのは

「アイスクリーム」という「」ではなく

体験」に価値を見出してる点

同じアイスでも、

「ただのスイーツ」→

「特別な体験」 に変換

される瞬間、人は財布を開く、と言えます。

逆に言えば、

「アイス」という「モノ」だけを

売ろうとしている限り、

冬に売れる理由は永遠に生まれない

ということですね。

「体験を売る」とは何か?

結論はシンプルです。

モノではなく、

そのモノによって得られる

「感情」「変化」「物語」

売ること。

ここを理解できないと、

マーケティングは一生「作業」のまま終わります。

よくある誤解がこれ:

良い商品を作れば売れる

本当によくあります。

職人さんや現場出身の方、特に注意です。

この考え方、残念ながら間違い。

必要なのは、良い商品ではなく

買った人の人生がどう変わるか?

を設計すること

です。

私がセミナー等でも本当に口を酸っぱくして

言ってると思いますが、

顧客は、商品を買ってるのではなく

ベネフィット=を買ってるんです。

ここで言うベネフィット=

体験価値(バリュー)ですね

商品中心思考 vs 顧客中心思考

マーケティングでは有名な話があります。

アメリカでの50年前の話です。

ある鉄道会社(以後、A社)がありました。

A社は、鉄道会社の中でトップになるため、

線路を伸ばし、車両を豪華にし、

鉄道事業を磨き続け、

結果、鉄道会社でシェア№1になりました。

しかし、あるとき、社員は客数が

減り始めてることに気づきました。

彼は社長に相談します。

客数激減してます

社長、どうしましょう?」

社長は答えます

「競合鉄道会社に客、取られてるぞ。

鉄道会社内で1位を目指せ。

うちは鉄道事業の会社だからな。

その中でトップをとれば客はまた増える」

そこで、競合の鉄道会社に

絶対に負けないサービスと価格を決め、

再度、プロモーションを展開します。

結果、鉄道シェアマーケットで

再度、№1に返り咲き。

これでめでたしめでたし、とは

ならなかったのです。

鉄道会社内でシェア№1をキープしているのに

なぜか客数は減り続けます。

社長は焦ります。

なんで?なんでだ・・・・

そこである社員が気づいて

社長に報告しました。

「社長、お客さん取られてるの

鉄道じゃないです。

お客さんはみんな、

飛行機に乗ってるみたいです」

これ、笑い話のようですが本当にあった話。

なんでこうなるの?

ここで重要なのが

お客さんは商品を買ってるのではなく

ベネフィット=体験価値 

を買っている

っていうこと

つまり、この会社は

「鉄道」という商品が顧客にとっての

価値だと思い込んでしまい、

自社は「鉄道事業」の会社だ、と

位置づけてしまった。

だから、ライバルは鉄道会社 になります。

でも実際、顧客が買っていたのは

「鉄道」という商品ではなく

「早く移動できる」という体験価値だった。

だから、より早く移動できる手段=

「飛行機」にお客さんをとられたっていう

ことなんですね。

つまり、

  • 鉄道会社=商品中心の事業規定
  • 早く快適な移動=顧客中心事業規定

この違いが、栄枯盛衰を分けたって

言えると思います。

この商品中心思考 vs 顧客中心思考

実はかなり重要

売り手側は特に意識しなかった場合、

ほとんどの人が商品中心思考

で自社ビジネスをとらえてしまいます。

私から

「それ、売り手目線になってるよ」

って言われたことある方、それです。

試しに今、↓の文章、自社ビジネスに当てはめて

○○○○の部分を頭の中で考えてみてください。

「私の事業は〇〇〇〇事業です」

今、〇〇に当てはめる言葉が

商品やサービス内容が出てきた方

「売り手目線」=商品中心思考

になってる可能性大です。

大切なのは顧客目線

顧客が本当に必要としてる価値は何か?

顧客が商品・サービスを買って使った後に

手に入れたい感情や状態・幸せは何か?

そこをスタート地点にして考える

それが顧客中心思考です。

真冬にアイスが売れる理由も、同じ構造

これは、冒頭にご紹介した

真冬の氷点下でアイスを買う

を考えるときも全く同じ構造

商品中心思考=アイスを売っている

顧客中心思考=風呂上り、火照った体と

      乾いたのどに反則級のご褒美

実はアイスではなく

真冬の氷点下でしか味わえない感情

という「体験価値」を売っているのです。

この体験を自分事として

想像してしまった人、はアイスを

購入するはずです。

この体験価値こそが、
あなたのビジネスの「差別化ポイント」になりますよ]

では、あなたのビジネスでは何が“体験価値”になる?

どの業種もかならず体験価値を持っています。

参考例を挙げてみますね。

商品例:税理士の初回無料コンサル
■商品中心思考での事業名
 税務コンサル事業
■体験価値=顧客中心思考
 初回相談で「救われた実感」事業

商品名:ハウスクリーニングの「プロ洗浄パック」
■商品中心思考での事業名
プロユースの潜在販売事業
■体験価値=顧客中心思考
プロが扱ってくれる安心感提供事業

商品名:パーソナルトレーニング
■商品中心思考での事業名
トレーニング指導事業
■体験価値=顧客中心思考
理想の自分になった実感提供事業


他にもあるよ↓

こんな感じでしょうか?

体験価値=顧客中心思考であげた内容は

すべて「体験」から感じられること、になってますよね?

商品はその体験を成立させるための「パーツ」でしかない

事が分かってもらえると思います。

やってみよう

では、この機会にご自身の商品について

↓のワークシートに従って

・商品中心思考の事業名

・顧客中心思考の事業名

を考えてみてください。

慣れるまでは難しいかもしれません。

でもここ、マーケティングを考えるうえで

超重要な「ベネフィット」に当たる部分です。

ぜひ、何度も繰り返し、実践することをお勧めします

ワークを実施するとき、自社商品って

客観視が難しいのが普通です。

そんな時は冒頭の

「極寒の真冬にアイスを売る方法」

みたいな、通常ではなかなか

売るのが難しいシチュエーションを考えて

顧客の体験価値を起点にどうすれば売れるか?

みたいなワークを実施してみるのもおススメですよ

コメント欄にご自身の事業等

ワーク実施してみた結果、

書いていただけたら、添削もできますよ

おわりに

商品そのものが価値ではありません

まずはここ、超重要なマーケティング思考なので

徹底しましょう

価値は、商品を通じて生まれる

「体験」の中にあります

冬にアイスが売れるのも、

水のペットボトルが1本1000円で売れるのも、

突き詰めれば「体験」の設計です。

あなたのビジネスにも、
必ず体験価値があります。
あなたが売っているのはモノですか?
それとも体験ですか?

常に顧客が「体験」から感じ取る価値を

想像し続けましょう。

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