客に仕事をさせてるのに、なぜ満足度が上がる?

事例

年末年始、本土で過ごしました。
滞在中、今、住んでる沖縄にはあまりない
お好み焼き屋さんへ。
その時の体験です

自分で一所懸命焼いちゃった

その店は、店員さんに焼いてもらうか
自分で焼くか、選べるタイプ
注文時に、「自分でも焼けますよ〜」

って言われた瞬間、なぜか
注文時に、「自分でも焼けますよ〜」
って言われた瞬間、

なぜか「あ~、そうですね、じゃあ自分で」

って、まるで「できる側の人間」
みたいな顔をしてしまって、
「自分焼き」を選択してしまいました。

まずそこが痛いよね。
そもそも、普段、料理なんて全くやらない
1年に1回もやらない
せいぜい、卵かけご飯を完成させる
程度の腕前。

ボウルの中でキャベツと
生地を混ぜ始めたら、
手がもうベタベタで、地味にイラっ
すでにちょっとめんどくさくなりながらも
周りの席で焼いてるソースの匂いが
飯テロしてきます。

混ぜ終わったタネを鉄板へON
瞬間、ジュッと音がして、
一瞬だけテンションアップ
ここだけは自分が料理上手に
なった気がするのよね、これが。

でも問題は次。
ひっくり返すタイミングが分からない。
わからないんです。

分からないのに、なぜか
分かったふりをしてしまいます。
で、ひっくり返す。

ヘラを差し込んで、
よいしょって持ち上げた瞬間、
見事に失敗。

形が崩れて、端っこがちぎれて、
鉄板にべちゃっと落ちます。
外カリ中フワの予定が、外ベチャ中モヤ。

「あっ・・・」ってつぶやいた後、
心の中で「はい、出ました。」
って自分にツッコミを
入れるしかないんです。

でも不思議なんですよね。このあたりから、
イライラがなくなって、
なんだか楽しくなってきます。

失敗したのに、
もう一回ヘラを入れて、
なんとか「丸っぽい何か」に
整えてるうちに、

だんだん愛着が湧いてくるんですよね。
たぶんこれ、手間の副作用だと思います。

仕上げにソースを塗って、
お好み焼きの匂いが強くなってくると
「よっしゃ、完成、見たか」
みたいな気持ちになるのが不思議です。

かつお節がふわっと揺れて、
見た目だけ急に一人前に見えてきます。

急にどや顔で堂々としてくる感じ。
食べる。
普通にうまい。
いや、正確には
「うまく感じる」ってことかな

「だって俺、混ぜて、焼いて、
失敗して、立て直したぜ。」
みたいな「やった感」だけは
一丁前に感じてます。

結果、最後に「俺が作った」って
言えて満足してる自分がいて、
そこでまた「アホかおれは」みたいな(笑)

で、食べ終わった後、お店を出て、
ふとマーケターの血が騒ぎ、
気になり始めました。

店員さんではなく、自分で焼く、を
自分で選択
ということはお店側は

「お好み焼きを焼く」という調理スタッフの
「業務」をお客さんがってくれて、
人件費削減になってるわけだよな?
しかも、なぜか満足度も上がってる。

お店側にとって、人件費も削減出来て
素晴らしい戦略だよね、
でもなんでこうなってるんだ???

なぜクレームにならないのか?


これ、実は「ラベリング効果」で
説明ができます。
いわゆる「レッテル貼り」って
いうやつですね。

「東京の人は冷たい」

みたいなのです。

つまりお好み焼き屋さんで自分で焼く
という行為は
店側から見た時には
本来はお店がやるべき調理工程を
お客さんにやってもらってる
っていうことなんですが、
お客さん側から見たときに

お好み焼きを焼く=店の業務の肩代わり

ではなく

「自分が選択した創作体験」
「自分で作る楽しさ」

というラベルを貼っている
ということになります。

このラベル貼りができた瞬間に
顧客満足度が上がる

という構造が出来上がります。

自分が選択した創作体験

なので、失敗しても焦げたとしても
クレームにはならない
むしろ、それを乗り越えて完成させた
体験が「達成感」向上につながります。

つまり、お好み焼き屋さんは
顧客が店の仕事をやってるのに
満足してると言えます。

このラベリング、
仮に「お好み焼きモデル」と
名付けましょう
このモデルをうまく活用できてる例
お好み焼きの他には


・IKEA
→組み立てという労働を「創作体験」に変えた

・セルフうどん店(丸亀製麺など)
→本来は店員がやる
「トッピング・仕上げ」を、
 「自分好み仕上げ」に置き換えた

私が知ってるお店で、もっとも優れた
ラベリングって思った居酒屋

その店は、常連客に自分でお酒を
冷蔵庫まで取りに行かせて、
食べ終わった食器を厨房の奥の
流しまでもっていかせてる店、です。

ここ、常連客に最初に連れていかれた時、
その常連客の方が
「おれは常連だから特別に
冷蔵庫も開けられるし厨房にも入れる」って
明らかにドヤ顔で言ってたんです。
 
私から見たら
「店に使われてるだけやん」って
見えたんですが、
本人が特権意識をもってやってるので、
「お好み焼きモデル」と言えますね。

ああなたのビジネスに生かす・・・その前に

あなたのビジネスにお好み焼きモデル
当てはめてみたくないですか?

うまくハマればお客さんが
売る側の業務を担ってくれて、
かつ満足度も上がる
こんな良いこと、無いですよね?

でもここで要注意!!
お好み焼きモデル、を考えるとき
やってしまいがちな失敗例があります。
 
例えば

・初期設定を全部客にやらせるサービス
 会員サイト.etc
登録後、
 「まずはこの動画を見てください」
 「次にこの設定をしてください」
 「分からなかったらFAQを
         見てください」
→客の感覚=「作ってる」じゃなく
 「放置されてる」
判断の余地も、完成の実感もない。
この場合のラベリングは
「雑務をやらされてる」

・マニュアル通りにやらせるだけのセルフ化
例:役所・病院・銀行・一部の大企業

  • 書き方は決まっている
  • 間違えたら差し戻し
  • 正解は1つだけ

→客の感覚=「選んでる」じゃなく
「ミスらないようにビクビクしてる」

失敗=怒られる構造は、楽しさゼロ。
お好み焼きの真逆。

・セルフレジ・モバイルオーダーの失敗例
例:UI(=仕様・画面操作)が終わってるやつ

  • 操作が分かりづらい
  • エラーが出る
  • 店員に聞くと嫌な顔される

→客の感覚=「早くて便利」じゃなく
「なんで俺がやらされてんだ?」

同じセルフでも、
便利ラベルが貼れなかった瞬間に怒

ここ、かなり重要なんですが
お好み焼きモデルを考えた時
誰でも

「よしよし、要するに
店側のコストをお客さんに
押し付けたらいいんだな。
押し付けたときに
最もうちが儲かるのは・・・」
 
みたいな発想になる方、結構多いんです。
 
でもこれ、失敗例にもあるように要注意

お客さんは、会社やお店を
楽にさせてあげよう
って思って業務を代行
しているわけではありません
そんな人はひとりもいない、
と思いましょう。



お客さんに代行してもらって良いか?チェックリスト

じゃあお客さんが自ら進んで業務代行する
条件は何?

チェックリスト化しておいたので
ぜひ使ってみてくださいね

【↓○が多いなら代行してもらって良い】

  • □ どれを選ぶか、客が自分で決めている
  • □ 正解が1つじゃない
  • □ 失敗しても致命傷にならない
  • □ 終わったあと「ここは自分がやった」と言える
  • □ やってる途中で変化が見える(形・味・手応え)

→〇が多いならお好み焼きゾーン
→手間なのに、満足が残る

【↓〇が多いならクレーム地獄行き】

  • □ やることは全部決まっている
  • □ 判断する余地がない
  • □ 途中でも結果でも、違いが分からない
  • □ 失敗したら客の責任になる
  • □ 終わっても「何したっけ?」となる

→〇が多いならマニュアル入力ゾーン
→ただの作業押し付け

終わりに

ここまで読んでいただいたあなたには
わかってもらえてると思いますが、
お好み焼きモデルって、
「セルフ化すれば儲かる」みたいな
安い話じゃないんですよね。

本質的には超シンプル

人は、「利用されてる」と思った
瞬間に怒るけど、
「自分で選んだ」「自分がやった」と
思えた瞬間、
同じ手間でも満足してしまう

ってだけの話です。
でもそれが深い

お好み焼き屋さんは、
調理という「店の仕事」を
そのまま客に投げてるわけじゃありません。

  • 焼くかどうかを選ばせる
  • 失敗しても美味しくて笑える余地を残す
  • 最後に「自分が作った」と言えるところまで任せる

この設計があるから、
客は文句を言わず、
むしろ満足して帰っていく。

そう、その体験設計ができるかどうか
なんです

逆に言えば、

  • 自分で選択できない
  • 正解が1つ
  • 失敗すると怒られる
  • 終わっても達成感がない

この条件がそろった瞬間、
それはもう
「お好み焼き」じゃなくて
雑務の押し付け」です。

だから、あなたのビジネスに当てはめるなら、
考えるべき問いはこれだけでいいと思います。

これは
客が自分でやったと思える工程」か?
それとも
ただやらされる工程」か?

もし前者なら、
人件費が下がって、満足度が上がる
という、ちょっとズルいことが起きる。

もし後者なら、
どれだけ理屈を並べても、
クレームか静かな離脱になります。

お好み焼きモデルは、
「客に仕事をさせる方法」じゃありません。

客が、なぜか自分から動いてしまう構造を
どう作るか?

そのヒントが、
たまたまお好み焼き屋の
鉄板の上に転がってただけ、
って話ですね。

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コメント

  1. 寺口飛鳥 より:

    人は、「利用されてる」と思った
    瞬間に怒るけど、
    「自分で選んだ」「自分がやった」と
    思えた瞬間、
    同じ手間でも満足してしまう

    どうやって後者のように思ってもらえるか、を想像力をフル回転させて考えないといけないですね。

    私の業界、特に上の世代の弁護士は、こうだ、こうすべきだ、と言って進める方が多いんですが、そういう先生はどんどん顧客離れてるんですよね。

    そうならないように、顧客満足度を上げられるよう進め方を工夫し続ける必要がありますね。

    • inukun255 より:

      寺口さん、コメントありがとうございます。
      弁護士さんは特に、「顧客目線」が難しい職業だと思います。

      クライアントさんが本音をしゃべってくれないですからね
      でもそれは、弁護士業界全員、弁護士さん全員が抱えてる職業固有のリスク、ということですので、寺口さんが「顧客満足度を上げるための工夫が必要」というスタンスの取り方されてるだけで、業界では頭一つ、抜け出せると思いますよ(^^)/

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