クリスマス商戦真っただ中
11中旬頃になると、テレビでは毎年、
クリスマス商品のCMが一斉に流れ始めますよね?
代表的なのは↓あたりかな?
このクリスマスの時期のCMって、商品が同じじゃなくても
すごく似通ってる特徴があるの、気づきませんか?
それは、価格も、スペックも、商品の詳細な説明も
ほとんど出てこないってことなんです
じゃあ、何を表現してる?
代わりに出てくるのは
家族
音楽
季節の空気
それだけ
つまり楽しくあったかい家族の雰囲気
だけですよね?
それだけでも、確実に商品は売れてます。
なんでだろう?
なんで雰囲気だけなの?
よくよく見てみると
クリスマス商品のCMってどれも
ホント、雰囲気だけ
まったく商品の説明、してないんですよね?
最初から説明する気がないのでは?
って思うくらいですよね?
一般的にテレビCMって、しつこいくらい
商品名連呼したり
いかにこの商品が優れてるか
を説明したっていうのが典型
それと比較すると、クリスマス時期は
かなり趣が違うCMの作りになってますよね
商品の説明をしない本当の理由
この現象、マーケティング的に説明すると
商品スペック=商品情報
を説明するんじゃなくて
ベネフィット=商品を買って使った後の幸せ
を見せてるってことになります。
ベネフィットはマーケティングの
コア中のコア
顧客は商品が欲しくて買うのではなく
ベネフィットが欲しくて買ってるので
見込み客が最初に目にするのがテレビCM
という狙いだとすると、
ベネフィットを想起させる戦略は
間違っていません。
ただし、
・まったくの新分野の商品や
新発売の商品
・ターゲットが新規客
等の場合
ベネフィットだけ伝えても
見た人の購買行動につながらない
ということも多く、そのため
テレビCMでは商品スペックを
伝える、という種類のものが
多いのは事実です。
では、なんでクリスマス商品のCMだけは
まったく商品スペックの説明をしないのか?
ここが最大のポイントになります。
クリスマス時期の広告は
「新規獲得」ではなく
「思い出させる」役割が強い
実際、今、クリスマスのテレビCMを
頭に思い浮かべてみてください。
毎年、見てる商品ばっかりじゃないですか?
そう、今、あなたの頭の中に浮かんだCMが
思い出させるためのCM、そのものです。
クリスマスのCMが実際にやっていること
クリスマスCMがやっているのは
実はこの3点だけ
1.時期の合図
「もうその時期だよ」というサイン
2.選択肢の固定
「今年はこれでいいよね」を作る
3.迷いの遮断
比較・検討を始めさせない
ここから見えてくるクリスマスCMの役割
情報提供ではなく記憶の呼び出し
=思い出させるためのCM
ってことですね。
原理を見てみよう
ここで起きている現象
実は行動経済学で名前がついています
この現象の名前
プライミング効果
っていいます。
※プライミング効果とは、事前に受けた情報(プライマー)が、無意識のうちにその後の判断や行動(ターゲット)に影響を与える心理効果です。例えば、ラーメンのポスターを見た後にラーメンを無意識に選んでしまったり、高齢者に関する単語を言った後に歩く速度が遅くなったりする現象
クリスマス商品のCMは、毎年
同じ時期
同じ文脈
同じブランド
が出てくる
つまり、このCMがプライマーとなり
考える前に「思い出す」状態が作られる
という現象を引き起こすのです。
ということは、クリスマスにCMを売っている商品は
説明フェーズを終えた人向けの広告
入口ではなく「最終段階」の広告
と言えますよね。
クリスマスCMを思い浮かべたときに
定番商品ばかりになるのも
理解してもらえると思います。
このプライミング効果をなんと
40年間、毎年毎年CMで使い続けた
ケンタッキーの功績で
日本ではクリスマスには
七面鳥ではなくチキンを食べる
という食文化が根付いたとも言えます。
40年ですからね
マーケティングどうのこうのというよりも
ほとんど「執念」に近い覚悟を感じます。
自分のビジネスに置き換えてみよう
クリスマスにテレビCM流せるのは大手だけ
そう思った方、いたとしたらこの話
テレビCMに限った話ではありません。
重要なのはここ
ビジネスの規模に関わらず
そして広告の媒体に関わらず
顧客が今、どの段階にいるか?
を考えることが重要ってことですね。
この「どの段階」=購入モデルってやつ
詳しくは↓「イベントで10倍売る」読んでね↓

結論
クリスマスCMは何も説明してない
雰囲気を出してるだけ
そう見えたとしたら
それは正解
なんで?
そもそも説明する役割を担っていない
そして、真似すべきなのは
「説明を削ること」ではない
自分の商売、「顧客の大きな塊」は
どの段階にいる?
どの段階の広告を打つべき?を
見極めること
そんなことをも思いながら
クリスマスのCM、改めて見てみてください。
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